くすもと動物病院
くすもと動物病院メルマガ(2016年11月)
2016年11月1日(火)

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今年も残すところあと2カ月となりました。皆様、いかがお過ごしですか。これからの季節、犬には過ごしやすい季節ですが、猫や人は風邪をひきやすくなるので注意が必要です。

今日は『犬猫の認知症』についてお話しします。

65歳以上の高齢者のうち認知症を発症している人は約15%であり、2012年時点で約462万人に上ること、さらに、2025年の認知症患者は、現状の約1.5倍となる700万人を超えるとの推計が厚生労働省より発表されています。

犬ではどうでしょうか。犬では11歳頃から発症があり、13歳で急増し15歳がピークだといわれています。どの品種でも発症しますが、もっとも多いのは柴犬です。2002年の調査では、51%が柴犬であり日本犬の系統が約80%を占めていました。その他の品種には差がないようです。

猫ではどうでしょうか。猫はボケないという認識が一般的です。しかし、11-14歳の猫では約30%、15歳以上では約50%が加齢による行動障害を発症するとの報告があります。猫は認知症になるケースはまれですが、行動障害が出ることで認知症に似た状況になることは考えられます。

認知症は、脳の変性によっておこる病気です。犬でみられる症状として主なものは?歩くことを止められない?異常な食欲?昼夜の逆転?わけもなく吠え続ける?理解力の低下?喜怒哀楽の消失です。

今のところ決定的な治療法はありませんが、生活環境の改善やサプリメントを含めた食事療法で進行を遅らせることは可能だといわれています。具体的には、バリアフリーにすること、模様替えはしないこと、歩行路には物を置かないこと、室内トイレの場所を徐々に寝床に近づける等、日々の生活にストレスを与えない環境づくりが必要です。そして高齢期の散歩は、朝夕の2回だけでなく、短時間でいいので日光を浴びさせることが昼夜逆転の予防になります。脳を刺激する遊びを取り入れることや、今までできていた号令を毎日何度も繰り返すことも有用です。犬用のサプリメントには、認知症の予防に繋がる可能性があるものがいくつかあります。フードにもそのようなものが含まれているものもあります。これらを食べていれば大丈夫ってものではありませんが、多少の効果は期待できるかもしれません。

「うちの子、認知症かな?」と感じたら、一度ご相談ください。認知症でなくても心配なことがありましたら、お気軽にお尋ねください。






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