くすもと動物病院
くすもと動物病院メルマガ(2017年4月)
2017年4月1日(土)

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いよいよ今日から4月、新年度の始まりです。

桜の咲き具合はどうなのでしょうか。それにしても、まさに花冷えといえるような寒さですねぇ。愛犬・愛猫ともども体調崩さないよう注意してください。

 

今回は腎臓についてお話しします。腎臓は、犬も猫も人間も体のなかに2個持っています。腎臓のなかには、ネフロンと呼ばれる「ろ過装置」があり、血液をろ過して老廃物と水を尿として出します。そしてこのうちの必要な水分を再吸収するという働きをしています。つまり腎臓は、体内の水分バランスを調節しながら、老廃物を尿として体外へ出しているのです。

ネフロンは、猫で約40万個、犬で約80万個あります。年齢とともにさまざまな原因でネフロンがダメージを受けて減少し、正常な腎機能を維持できなくなることを慢性腎臓病といいます。ダメージを受けたネフロンは、修復することはできません。

慢性腎臓病になると、老廃物が体内に蓄積し、必要な水分量を保つことができなくなります。そのため、尿量と飲水量が増加し、食欲不振、体重減少、脱水、貧血、嘔吐、高血圧などがみられるようになります。さらに悪化すると尿を作れないようになり、けいれんなどの尿毒症の症状が現れます。もうこうなると、手の施しようがありません。

そうならないためには、どうするか。

一番は早期発見です。しかしながら腎臓は、75%以上の機能異常がなければ明らかな症状がでず、血液検査でもなかなか発見できません。それでも血液検査と尿検査で早期に発見することができることがあります。中高齢期をむかえたら、血液検査と尿検査を受けましょう。

そして万一、慢性腎臓病と診断された場合、病気の進行を遅らせる治療を始めます。つまり残っているネフロンにダメージを与えないようにするのです。

治療に反応すれば、生活の質を落とすことなく過ごすことができますので、あきらめずに治療しましょう。






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