くすもと動物病院
くすもと動物病院メルマガ(2017年9月)
2017年9月1日(金)

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9月になりました。これからが夏の疲れが出る時期でもあります。そしてその疲れの要因が肝臓にあることも考えられます。皆さまの肝臓は疲れていませんか。

 今回は『肝臓』についてお話しします。

数多くの機能をこなしている肝臓が正常に働かなくなると、生命を維持していくことができません。肝臓(肝細胞)は、一部が機能しなくなってもすぐに再生する能力を持っています。再生するまでは、他の肝細胞が補って働く機能も持っています。脳や心臓は1本の動脈を頼りにエネルギーを受け取っていますので、その血管が詰まったり壊れたりしてしまうと、血液が送れなくなってしまうので細胞は死んでしまいます。

一方、肝臓には肝臓独自の門脈という血管があるので、酸素不足になることもありません。つまり、肝臓はダメージを受けても影響が出にくく、症状として現れにくいという特徴があるのです。肝機能が低下して黄疸などの症状が出てくるときは、症状がかなり進んでいることになります。

自覚症状がないままに少しずつ静かに症状が進み、痛みを感じる知覚神経もなく、気づいたときには重症化していることも少なくないので、肝臓は沈黙の臓器と呼ばれているのです。

では、どうすれば早期発見できるか。

これは定期的な検査しかありません。しかしながら犬や猫は人のようにアルコールは飲まないし、タバコは吸わないし、その他の嗜好品を自ら食べることはありません。つまり人と比べて肝臓病になる確率は低いと思われます。

ただ、犬種によっては発生の多い肝臓病がありますし、肥満猫が数日食餌をとらなくなると、体脂肪が肝臓に一気に蓄積されて肝リピドーシスという病気になります。

上にも書いたように、嗜好品(オヤツ等)を与え過ぎると肝臓に負担がかかるので注意してください。

なお、ノミ・ダニ予防とフィラリア予防は、まだまだ必要ですのでお忘れなくお願いします。





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