くすもと動物病院
くすもと動物病院メルマガ(2019年8月)
2019年8月16日(金)

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8月も半ばが過ぎましたが、まだまだ暑い日が続いています。続けて暑さ対策を怠りなきようお願いします。

平成30年時点での犬猫の平均寿命は、犬で14.29歳、猫で15.32歳とされています(社団法人ペットフード協会の調べ)。このような長寿化は、嬉しいことです。しかしながら、長く生きることで今まで多くなかった疾患が増えていることも事実です。犬では、僧帽弁閉鎖不全症、認知症、悪性腫瘍、関節炎等、猫では、慢性腎不全、悪性腫瘍、関節炎等です。

そのなかで今回は、僧帽弁閉鎖不全症について記します。

僧帽弁閉鎖不全症は犬の代表的な心臓病です。特に10歳を過ぎた小型犬での発症が多く、老化現象によるところが多い病気です。つまり、長生きすることで発症する可能性が高い病気ともいえます。発症すると、活発に動かなくなります(運動不耐性)。この時点で発見することは、非常に難しいです。なぜなら、発症する犬は、それなりに高齢であるからです。次に出る症状として、発咳があります。咳をするというと、ゴホンゴホンというイメージかも知れません。しかしこの病気は、カッカッとなにか喉に引っかかったような咳をします。このような咳が出たら、早めに受診してください。多くの場合、聴診で診断が可能なので余計な検査が必要ありません。そして早めの治療がその後の寿命に影響してきますから。

それでは心臓に負担をかけないために自宅でできることを記します。

?塩分摂取量を控えることで心臓への負担を軽減させること。そして良質の蛋白質をあたえること。これは療法食を与えることやオヤツに注意することでできます。

?体重を落としすぎないこと。最近の研究で、体重の減少が僧帽弁閉鎖不全症には良くないことが分かってきました。

?適度な運動をさせること。心臓病だからと言ってまったく散歩に行かないことはよくありません。過度にならなければ、散歩には行くようにしてください。

?呼吸数の増加に注意すること。自宅で安静時に呼吸数が40回/分を超えるようなら、肺水腫の恐れがあるので、すぐに受診してください。

?ストレスのない生活をすること。例えば、犬との良好な関係を維持しつつ、よくほめてあげることを心掛けるだけでかまいません。

いずれにしても、老後を快適に過ごさせてあげることがなにより大切です。そのためになにができるか、そしてそのお手伝いを当院でさせていただければ幸いです。





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