くすもと動物病院
くすもと動物病院メルマガ(2019年12月)
2019年12月1日(日)

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今年も残すところ、ひと月となりました。気象庁の予報では、暖冬傾向とのことですが、どうですかね。

今回は、ウサギについてお話しします。日本在来のウサギは、エゾナキウサギ(ナキウサギ属)、アマミノクロウサギ(アマミノクロウサギ属)、ニホンノウサギ(ノウサギ属)、エゾユキウサギ(ノウサギ属)の3属4種です。どれも野生動物であり、なかなか目にする機会は少ないと思われます。私たちが普段目にしているウサギは、アナウサギ(アナウサギ属)です。ペットとしてや、動物園等のふれあい広場と小学校で飼育されているウサギです。また、ウサギの島として有名な瀬戸内海の大久野島にいるウサギは、飼われていたアナウサギが野生化したものです。英語でラビット(Rabbit)と言われるアナウサギは、すべて外来種になります。アナウサギは、その名の通り地面に穴を掘って巣を作り、群れで生活しています。早く走ることはできません。一方、ノウサギは英語ではヘアー(Hare)と言われ、穴を掘ることはなく群れることはありませんが、早く走ることができます。ノウサギとアナウサギは、まったく別の種類であり、交配することはありません。

最近、おもしろいニュースがナショナルジオグラフィック日本版に掲載されていました。そこには、ノウサギが肉を食べるというものでした。カナダのユーコン準州に生息するノウサギ属の一種、カンジキウサギは、長く寒い冬の間、栄養を補給するために動物の肉を食べていました。 夏の間は植物を食べるノウサギたちですが、地面が雪で覆われ、気温がマイナス30度以下まで冷え込む冬になると、エサが見つからず、お腹をすかせてほかのウサギや鳥の死骸を食べるようになるのだということでした。

ほかのノウサギでも、肉を食べるという報告はありますが、日本在来種が肉を食べるかどうかは、分かりません。いずれにしても、ノウサギは完全な草食動物ではないということですね。野生のアナウサギが、肉を食べるかどうかは分かりません。飼育下でのアナウサギの母親が、生まれたばかりの子どもを食べることがあるとの報告はあります。

ちなみに、私はウサギアレルギーのため、診察することができません。ウサギを飼っていてかかりつけの病院がない方には、診察してくれる病院を紹介することはできますので、お気軽にお尋ねください。






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